遠洋マグロ漁の実態を共感あふれる視点で描く
漁業に何の縁もなかった東京の一青年が、自分の生きる場所を求めて高知のマグロ船に乗り込み、そこでの苦労や喜び、人々との出会いをつづったノンフィクションです。
遠洋マグロ漁船内の知られざる生活が、実体験を通じて書かれており非常に興味深いです。
マグロ漁にまつわるさまざまな活動や手続き、人々の生き方や苦労、楽しみ、それらがいきいきとした筆致で描かれています。マグロ漁を追ったドキュメンタリーでもあり、また人間ドラマでもあります。
読み始めたらとまらないすがすがしいノンフィクションです。広くお勧めしたいです。
なんたる生活
2000年に出た単行本の文庫化。漫画化もされているらしい。
「マグロ漁船」というのには特殊なイメージがある。一回乗り込むと大金が手に出来ること。一年かそれ以上も日本に帰ってこれないこと。殺伐とした世界であること。しかし、その実態については、あまり知られていない。
ところが、この本の著者は本当にマグロ漁船に乗り込んでしまうのである。それも取材のためというよりは、本物の漁師になるために。
予想以上にすごい世界であった。体力と精神力。人間としての限界が試されるような世界だ。こんなに死人のたくさん出るところだったとは。
文章や構成には難があるが、読んで損のない一冊と思う。
圧倒的リアリティー
マグロ漁のため、世界の海を渡り歩く男たちの生き様を、圧倒的なリアリティーで描写している作品です。「まさにこれが男の仕事だ」、と言わんばかりの世界で、その描写は細かい点にまで及び、ルポルタージュとしても優れた作品です。このような世界を全く知らない私には驚きの連続で、あっという間に読んでしまいました。 マグロ漁についての専門用語や、土佐弁もたくさん出てきますが、それが全然苦にならないのは、土台のストーリーが面白いからでしょう。 それにしてもこんなに大変な思いをしてマグロを捕っているとは、全く知りませんでした。
もう一つの真実の物語
全長四四・五メートル。幅八・五メートル。深さ三・四メートル。ちょうど百十五坪の四階建てビルに相当する狭い空間に、二十人の気の荒い男達が五年もの長きにわたって監禁状態での生活を続けていく。著者がコック長として乗り込んだ土佐のマグロ船、第三十六合栄丸での一七七○日は、かくも過酷で壮絶な日々だった。けっして大仰にならず、劇的な効果をねらった身振りは極力禁欲し、マグロ船の男達の栄光と悲哀、その家族との交情、彼らを取り巻く経済や国際情勢まで、淡々と力強く叙述しきったノンフィクション(真実の物語)。「この二年間、地球をめまぐるしく走り回ってきた。海の色など、どこも変わらない。自分はいつも同じ場所にいるのではないか、という錯覚にとらわれたりする。」──原著と文庫版の二つの「あとがき」に綴られた後日譚(もう一つの真実の物語)が、読後の余韻を深いものにしてくれる。
リアルなノンフィクションです読むべし
マグロについて認識を新たにさせられる見事なノンフィクションです。取材ではなく自分自身が経験した事を淡々と綴って、それが読者にリアルに伝わってきます。好感の持てる本です。
小学館
俺たちのマグロ まぐろ土佐船 1 (1) (ビッグコミックス) まぐろ土佐船 コック長が見つめた1770日の記録 まぐろ土佐船 2 (2) 魚河岸マグロ経済学 (集英社新書)
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